前世紀シデンゲリオン,  市電馬鹿話

前世紀 シデンゲリオン

市電馬鹿倶楽部と名乗りながらも、バカさ加減が足りないと反省。書き下し小説にチャレンジです。

20世紀末、札幌市は謎の侵略者の攻撃により、延々と続く瓦礫の荒野と化し、すべての都市機能は地下空間に設けられた第二札幌市に移し替えられた。地上には、かつてここにあった美しい街の姿をとどめるものは何もなかった。ただ、市営電車の線路を除いて….

(中略)
「こ、これは!」
「ほう、わかるのかね、中島君?」
「宙返りロケットですか、狸小路長官。あれは撤去されたのでは?」
「かつて『こどものくに遊園地』にあって、良い子を恐怖のどん底に突き落とした禁断の遊具、『宙返りロケット』そのものだよ」
「それがなぜここに?」
「ふふふ、それはキミが乗るためだよ、中島君」
「僕が?あれは危険なのでは?父はあれの話はするなと言ってましたが」
「そうか、きみのお父さんは乗ったんだね。すばらしいお父さんを誇りに思うべきだよ。延々と続く恐怖と絶望の時間を経験し、はじめて札幌市民は札幌市民になった。かつてあれは市民の通過儀礼だったのだよ」
「それとシデンゲリオンとどういう関係が」
「シデンゲリオンは、未知のテクノロジーの結晶だ。それに乗り、人間の限界を超える環境に耐えうる肉体と精神を鍛えるために、必要なことなのだ」
「いやです。僕は父のようにはなりたくない!僕は僕のやり方でシンデゲリオンを乗りこなして見せます!」
「ほう….それは結構。だが、予言しよう、キミは必ず宙返りロケットに乗ることになる、とね」

(中略)

「はんかくさい!」
「はんかくさい!}
「はんかくさい!」

つづく

※「はんかくさい」は北海道方言で、おめでたいという意味

4件のコメント

  • 瀬戸昭二

    中島公園にあったロケット、あれに乗れるか乗れないかで肝試しされました。私は結局乗りませんでしたね。通過儀礼を果たさず、無念の青春です。モグラ都市さっぽろの地上に市電はいかなる働きと救いを果たすのか楽しみな続編です。

    • 市電馬鹿一台

      あれは最悪ですね。乗らなくて正解です。現在のテーマパークの絶叫ものよりたちが悪いんじゃないでしょうか。高校時代、友人の一人が乗ったことがないと言ったら、周囲の友人たちが一瞬にめくばせしたかと思うと「あれは痛快だ」とか「楽しくてやめられない」とか言い出して、乗り込ませてしまいました。後から思い切り恨まれましたね。

  • 瀬戸昭二

    中学時代は女の子もいて、男らしいところを見せようとずいぶん皆、無理をして乗ってましたが、どうも安全を信用できない乗り物。下で降りるときに最上で停止して、降りるのをも待って止まってましたよ。

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